実家を相続したときに、名義変更をするべき理由。
昨日のネット記事で、
以下の記事が目にとまりました。
◉相続した家
「登記」怠るとこんなトラブルが
※２０１９年７月２７日 日経電子版より
内容は、
実家を相続したとき、
遺産分割の協議書や
名義変更の登記をしなかったことで、
次に発生した相続で、その時の相続人に、
実家の土地の一部を分けてくれと言われ、
トラブルになった、
といったものです。
相続してから、
土地や建物の名義を変更する登記は、
現在、強制ではありません。
ただ、何代にもわたって、
名義変更の登記をしなかった結果、
所有者がわからない土地が増え、
現在では、
その所有者不明の土地が、
九州の面積を超えるほどの広さがある
との試算も出ているくらい、
広大な面積になってしまいました。
所有者不明の土地が増えると、
公共の土地活用、
隣接する土地の売却や承諾、
迷惑空き家への対応
など、様々なシーンで
不都合や迷惑がかかることになります。
そのため、今後、
この相続時の名義変更の登記は、
義務化されていく予定です。
そんなトラブルの火種を抱えている
相続時の名義変更の登記ですが、
そもそも、
なぜ登記をする必要があるのでしょうか？
それは、
第三者に対して、
自分が所有者であることを
証明できる（対抗力がある）
からです。
冒頭のネット記事の例ですと、
相続した実家の土地と建物を、
誰が相続したことを登記しておけば、
実家の所有権を明確にアピールでき、
あとから土地の一部を欲しいと
言われても、
きっぱり断ることができるわけです。
土地建物の所有をめぐる争いはなくなり、
自分の財産として、
胸を張って主張できるわけです。
そんな財産を主張できる反面、
それでも名義を変更しない理由はなぜか？
理由は人それぞれ理由はありますが、
多い理由として、
・登記に費用がかかる。
・手続きが面倒。
・固定資産税などの税金や
維持管理の負担がある。
などがあります。
特に地方にある、
売却してもそれほど高い金額で
売れない土地などは、
逆に、所有者を明確にすることで、
売却金額以上の負担を
強いられる可能性があります。
そうした理由から、名義を変更せずに
そのまま放置されていることも
少なくありません。
名義の変更をしないと、
・売却したいときに、
すぐ売却できない、
・隣の土地との境界確認が
難しくなる、
難しくなる、
・相続する権利のある人が、
後から財産を求めてくる、
など、多くのデメリットが生じます。
これらのデメリットがあるのを
承知できるなら、
名義変更しないというのも
選択肢にはなりますが、
それは決して
勧められるものではありません。
自分だけでなく、
周りにも不都合・迷惑が生じることもあり、
そのために、
想定外の大きな出費を被ることも
十分あり得ます。
自分よがりに、面倒で、
費用負担がないようにするためだけに
名義変更しないなら、
それは考え改めるべきだと
私は思います。
将来に無駄なトラブルを
生じさせないためにも、
相続した時の名義変更は、
やっておくべきでしょう。
