【実家が空き家になる理由】〜その①:遠方のふるさとに実家がある。
お盆休みの夏季休暇も終わり、
仕事に家庭に、日々の生活が
徐々に戻ってきている頃かと思いますが、
いかがお過ごしでしょうか?
夏季休暇や年末年始、
ゴールデンウィーク、シルバーウィークなど、
実家が地方にあると、旅行気分で
実家に帰省することも多いかと思います。
遠方に実家があると、
東京の日常とは全く違った空気と環境で、
気分をリフレッシュできるので、
喜ばしいことかと思います。
反面、遠方に実家がある方は
長期休暇の時でないと
実家に戻らない・戻れない
ということはよくある話ですよね。
進学や就職を機に上京して、
東京で家族や仲間をつくり、
東京で定住するようになれば、
仕事や子供の学校の都合上、
なかなかまとまった時間が
つくれないのは、
誰しも理解できるところです。
実家に親が健在で、
お住まいになっていれば、
当然空き家にはなっていないので、
何の問題もないわけですが、
両親が他界または、
介護施設などへ入所するなどして、
誰も住まなくなった場合、
実家はどうなるのでしょうか?
普段誰も住まなくなるので、
当然空き家になります。
空き家になるということは、
草むしりや空気の入れ替えなど
普段はしなくなり、
実家を引き継いだ息子や娘が
盆、暮れ、正月などにきて、
手入れするということになります。
親がいなくなった後、1〜2年くらいは、
定期的に実家に戻り、
家のメンテナンスをすると思いますが、
その生活が長く続けられるかどうか?
時が経てば、年齢も重ね、
ライフスタイルも変わってきます。
誰もいない実家に帰るのも、
1年に数回から、
数年に1回になる可能性もあります。
(実際にそのような人はいます。)
実家の建物も、年が経つにつれ、
古く、傷み、修理が必要になってきます。
定期的なメンテナンスも、
年々増えてくることになります。
放置しておけば、
周囲に迷惑・危険を及ぼす事態にも
なりかねません。
遠方に実家がある為に
空き家になる。
これは、
実家が空き家になる
最も大きな理由の一つ
ではないでしょうか?
それともう一つ、気付いたことがあります。
首都圏や都市部で、
自宅から車で1〜2時間くらいの場所なら
週に1回や月に1回は実家にも戻れますし、
実家を売るにしても、貸すにしても、
自宅近くの不動産業者などが
対応してくれます。
遠方の場合、
例えば東京に住んでいて、
九州や北海道に実家があるような場合、
不動産に関わる仕事をしていなければ、
そもそも誰に相談したら良いのでしょうか?
相談する人が
わからないから、
空き家をどうしたら良いか
わからないのです。
これは、
私の身近な友人・知人、
取引先やお客様、
交流会・イベント等でお会いした方、
など様々な方に、
実際私がヒアリングして、
非常に多かった回答であり、
「相談先がわからない」
ことも、
空き家の増加を助長していることを
強く感じた回答でもありました。
そう考えると、
首都圏や都市部は、
地方から仕事、夢、生活を求めて、
上京してくる場所でもありますが、
空き家の実家や
空き家になりそうな実家を
所有している人が暮らす最も多い場所
とも言えます。
夢と希望の見返りが、
悲しい空き家の実家に
つながらないように、
また、ひいては
日本の空き家の増加を
食い止められるよう、
実家の将来を真剣に
考えていきたいものですね。
参考:
平成28年の転入超過数は
東京がダントツで一番です。
その他転入が転出を
超過している都道府県は、
神奈川、千葉、埼玉、
愛知、大阪、福岡のみです。
都道府県別転入・転出超過数(日本人)
(2015年、2016年)
出典:
統計局「住民基本台帳移動報告
平成28年(2016年)結果」
詳細はこちら↓
http://www.stat.go.jp/data/idou/2016np/kihon/youyaku/index.htm