実家が古いと、不具合があるのは建物だけではありません。
相続した実家と言うのは、
年数の違いはあれ、
基本的に「古い」です。
何十年と過ごしてきたわけですから、
古いと言う事は至極当たり前ですが、
それだけ不具合箇所もあると言うことです。
不動産取引の中では
売主も知らない不具合ある場合、
売主が一定期間不具合の責任を持つ
取引内容が不動産売買にはあります。
(「瑕疵担保責任」
(かしたんぽせきにん)といいます。)
しかしながら
築40年も50年も経っていれば、
どこかしら不具合はあるものなので、
個人が売却する場合であれば、
取引条件としてその責任を免除したり、
建物を解体して
更地で取引するケースも多くあります。
多くの不動産業者が、
古い家であれば売却した方が
良いと進めるのは、
単に維持費がかかるというだけでなく
こういった後々の責任を回避するため
でもあります。
ただし、
この場合でも注意することがあります。
「土地の不具合についても
一定期間責任を持ってください」
という取引内容です。
これはどういうことか?
具体的には、
建物を建築するにあたって
地中から
支障となるものが
発見された場合は、
取り除いてください
という内容が多いです。
よくあるのが、
古い浄化槽が埋設してあったり、
古い井戸がでてきたり、
許容範囲を超えるガラ
(ゴミや産業廃棄物等)
が出てきたりといった具合です。
(森友学園の問題がまさにその実例です。)
場合によっては、
人骨が出てくるとか、
隣の木の根っこが
大幅に食い込んできているとか、
不発弾がみつかるとか、
意外と様々なケースがあります。
建物の不具合は、
事前に調査すればわかる事が多いですが、
土地の不具合は建物が立っている下など、
家が立っている状態では
確認しようがない場所もあります。
あまりに負担する金額が大きすぎて、
(100万円単位の負担もあり得ます!)
売買契約が解約になってしまうケースも
決して無きにしもありません。
不動産を売却する際は
一般的に不動産業者が、
一定の調査をしますので
(土壌汚染や浸水履歴等)、
ある程度のリスクは回避できますが、
生前からご両親から聞いたり
街の長老様などに代々の土地の状況を、
ことある機会に聞いておいた方が
良いかも知れませんね。
不動産売却は、
身入りも大きいですが、
個人であってもリスクはあります。
不動産業者任せにせず、
自分たちが住んでいた実家の状況は、
十分に把握して
後の所有者に自分たちの実家を
喜んで利用してもらえるように
しておいた方が良いかと
私は思います。