【令和元年版 土地白書】もう不動産は有利な資産ではない時代になりました。
昨日、国土交通省から、
令和元年版の土地白書が公表されました。
◉令和元年版 土地白書(概要)
◉令和元年版「土地白書」
の公表について
の公表について
※令和元年6月21日 国土交通省HPより
今年の土地白書には、
・平成時代の土地政策の総括
・「人生100年時代」を見据えた
土地・不動産活用の取組
などが書かれています。
概要に書かれている
大きなテーマは以下の通りです。
◯平成30年度の地価・土地取引の動向
◯平成時代における土地施策の変遷と
土地・不動産市場の変化
◯人生100年時代を見据えた社会における
土地・不動産の活用
バブル絶頂に始まった平成初期から、
人口減少が始まり、
少子高齢化が進む現在までの
土地・不動産の足取りを追っています。
多くの興味深いことがあるのですが、
その中でも特に目を引いたのは、
土地に対する
資産価値の国民意識 です。
資産価値の国民意識 です。
土地白書の概要に記載されている、
「土地は預貯金や株式などに
比べて有利な資産か?」
という質問に対して、
「そう思う」という回答は、
平成5年では、
61.8%まであったのが、
平成30年では、32.6%まで
落ち込んでいました。
逆に、同じ質問に対して
「そうは思わない」という回答は、
平成5年では、21.3%であったのが、
平成30年では、39.4%と、
大幅に増えています。
つまり、およそ4割の国民が、
土地はもはや、
有利な資産ではない!
有利な資産ではない!
と考えているということです。
この事実は
大きく受け止める必要があります。
要するに、
土地や不動産の所有意識が
薄れている
薄れている
ということです。
自社で一戸建てやマンションを
販売している不動産業者は多くいますが、
そもそも、
少子化でその購入者となるべき人が
減ってきている中、
さらに、
所有の意識が薄くなってきていれば、
当然、
不動産を買おうという意識は薄くなり、
販売されている
一戸建てやマンションは売れず
空き家・空室が増えていく、
ということになります。
私も不動産業者の仲間も、
この数年、首都圏郊外の
新築一戸建て・マンションの動きは
鈍くなってきているなぁ。。と、
体感値では感じていましたが、
単にエリアの利便性や
環境の問題だけではなく、
データに裏付けられた理由が
そこにはあったと言えます。
また、
シェアハウスやシェアオフィスなど、
シェアの文化が広がり、
所有のステータスよりも、
自身の生活を、
楽しく豊かにするライフスタイルが
重視されるようになってきていることも、
このデータから読み解くことができます。
そして、
単に目先のメリットを伝えるだけでは、
もはや不動産は動かなくなったことも
如実に表れているとも言えるでしょう。
この白書の意識調査に、
私は大変衝撃を受けました。
この意識調査の結果が持つ意味を
十分に理解して、
これからの不動産流通、空き家対策を
考えていきたいと思います。