空き家は、均一に増えているわけではありません。
ネットやメディアで、
空き家の話題となると、
以下の資料をよく目にします。
◉住宅・土地統計調査(速報集計)
結果の要約(総務省HPより)
結果の要約(総務省HPより)
これをみると、
空き家件数の棒グラフでは、
昭和38年から平成25年までの間に、
総住宅数、空き家数は
着実に増えているのがよくわかり、
平成25年(2013年)には、
過去最高の820万戸に
達しているのが理解できます。
また総住宅数に占める空き家数を表す
空き家率の折れ線グラフを見ても、
その空き家率は
着実に伸びているのがよくわかり、
やはり平成25年には
過去最高の13、5%を
記録しているのが理解できます。
ここで昨日お伝えした
ファクトフルネスの考え方で、
思い込みを一旦外し、
このグラフと表を見てみると、
ちょっとした疑問が浮かびます。
それは
空き家率の折れ線グラフの様子です。
表示されている各年の空き家率を算出して、
その数値を直線でつないでいるので、
着実に空き家率が増加していることは
分かります。
しかしながら、
表示されている各年と各年の5年間は、
決して均一に比例して
増えていることはまずありません。
ある年は空き家数の増加が少なかったり、
またある年は急に空き家が増えたり、
振り幅の大小はあるにしても、
直線になることはなく、
曲線で増加していくグラフになるはずです。
そして、
そのグラフが曲線だったら、
何故、曲線になるのか、その原因が大切です。
ある年が空き家の増加が多いのは
何が原因なのか?
ある年は空き家の増加が少ないのは
何が原因なのか?
それは何故そうなったのか?
周辺で大規模な分譲地や
マンションが完成し、
引っ越しした世帯が多いのか?
大学の移転で、
今まで学生が入居していた
アパートが軒並み空室になったのか?
気候の変化が大きく、
高齢の方が多く亡くなり、
空き家が増えたのか? などなど、
突き詰めていけば、
かなり深掘りすることはあります。
このグラフは、
着実に空き家が増えていることを
伝えたかったグラフですから、
決して間違ってはおらず、
伝えたいことは十分に伝わっています。
ただ、気づいて欲しいのは、
資料は、漠然と見ているだけでなく、
裏読みしたり、
別の視点から見てみるなどの、
必要はあるということです。
全ての資料やデータを
裏読みすることはありませんが、
少なくとも、
自身の実家をどう活用したら良いかを
考えているなら、
いろんな角度から資料を見て疑問を持ち、
自身の実家のあるエリアの実情や特徴を
深掘りしていく必要はあるでしょう。
少子高齢化・人口減少が、
空き家の原因と言われますが、
既成事実や思い込みを一旦リセットして、
自身の実家の現状は、
しっかり把握しておくといいですね。