住宅ローンを完済して、何十年も放置していると不都合なこと。
昨日は住宅ローンを完済しただけでは、
すぐに家は売れないことを
お伝えしました。
完済すると、
金融機関から融資を受けた時に書いた書類を
返却してもらえますので、
その書類をもって
抵当権の抹消という手続きを
司法書士に依頼しなければなりません。
この手続きをしないと、
抵当権がいつまでも登記情報に
書かれていることになり、
家を売りたくても
売れなくなってしまいます。
なので、
住宅ローンを完済したら、
すぐに依頼して手続きをすれば
良いのですが、
後回しにする人も当然います。
特に期限があることではないですし、
催促されることもありませんから、
抵当権を抹消しないまま、
何年、何十年とすぎる
事もあり得る話です。
そうするとどうなるか?
金融機関から返してもらった書類を
なくしてしまったり、
完済した人が亡くなってしまい、
抵当権の抹消手続きをすることを
誰も知らない状況になる
可能性が出てきます。
実際私も、親から
完済してから20年くらい経った
抵当権の抹消手続きを
頼まれたことがあるのですが、
金融機関から返してもらった書類がなく、
本人確認やら、完済の確認やらで、
1ヶ月くらい時間がかかりました。
完済していれば、
書類をなくしたり、
本人が亡くなってしまっていても、
抵当権を抹消する手段はあるので、
家が売れないということは
ありませんが、
手続きにはそれだけ
「時間がかかる」ことになります。
したがって、
急な事情で「家を売る」ことになると、
時間の問題で、間に合わなかったり、
支障が出てくる可能性はあります。
実務としては、
家の売却が決まってから、
買い手へ名義を変更する時と合わせて、
まとめて司法書士に
手続きしてもらえば大丈夫ですが、
スムースに売却を進めていくためにも、
抵当権の抹消手続きは、
事前に済ませておいた方が良いですね。