空き家が倒壊する基準
特定空き家、いわゆる
「迷惑空き家」
と判断されるかどうかは、
周辺の建物や通行人等に対して、
悪影響をもたらすおそれがあるか?
その悪影響の程度と危険等が
どのくらい切迫している?
が基準になります。
特定空き家等に指定される基準
そのまま放置すれば倒壊等
著しく保安上危険となる
おそれのある状態
の項目には、以下の状態が挙げられています。
(建築物が倒壊等するおそれがある状態です。)
◉建築物の著しい傾斜
・基礎に不同沈下がある。
・柱が傾斜している。
◉建築物の構造耐力上主要な部分の損傷等
・基礎が破損又は変形している。
・土台が腐朽又は破損している。
・基礎と土台にずれが発生している。
・柱、はり、筋かいが腐朽、破損又は変形している。
・柱とはりにずれが発生している。
要するに、
・かなり傾いている建物
・基礎、土台、柱などが
かなり壊れてたり、腐ってたりする建物
は、特定空き家と判断され、
強制撤去の対象の可能性があるということです。
この傾きの目安は、1/20超
とガイドラインには記載されています。
1/20とは、20m進むと1m高くなる
傾斜の程度です。
この傾きは、
緩い角度の直線形ウォータースライダーと
同じくらいの傾斜ですが、
建物が建っているには、かなりきつい角度です。
あと基礎・土台・柱といった
建物の構造部分で注意すべき点は、
シロアリの被害です。
建物が壊れていたり、大きな傾きなどは、
目で見てわかるものですが、
シロアリの状況は外からでは
簡単にわかりません。
水気や湿気が多い場所に建っているなら、
十分シロアリの被害はあり得ますし、
そうでなくても、
築30年以上経っているような
古い住宅なら、
少なからずシロアリの被害は、
心配なところです。
シロアリに柱が喰われれば、
柱の強度がなくなるので
建物が傾き、壊れる危険性が出てきます。
シロアリはすぐ建物に
影響が現れるものではありませんが、
空き家をしばらく保有しようとお考えなら、
手遅れになる前に
一度シロアリの専門業者に
点検してもらうのが良いでしょう。
すぐにでも崩れ落ちそうな、
切迫した建物というのは、
そうそう街中ではみかけません。
しかし空き家のメンテナンスを怠っていると、
建物は傷み具合は、どんどん進んでいきます。
メンテナンスといっても、
窓を開けて風通しを良くする、
水を流して、掃除する、
など、特別なことではありません。
普段やっていることをするだけで
十分建物は持ちます。
建物が崩れ落ちるのは最悪の事態ですが、
自分の実家が強制撤去されないように、
年に数回、帰省しがてらでも
メンテナンスは行っていきたいものですね。