田舎で空き家が増える理由
地方の空き家活用が進まない理由には、
田舎暮らしならではの
生活や人間関係も大きく影響します。
まず都市部に比べ、
ご近所付き合いや人の繋がりが深いので、
よそ者は受け入れがたい
雰囲気や慣習があります。
農業や田舎暮らしに憧れて、
地方移住を実現しても、
なかなかご近所と馴染めない
といった具合です。
ご近所といっても、
お隣まで数十メートル、数百メートルも
普通に離れているような地域では、
ご近所の範囲も広域にわたりますので、
その地域の人のほとんどの人が
顔見知りになります。
そんな中で、
その地域に新しく住み始めるのは、
サッカーや野球でいうなら、
アウェイに乗り込んで
試合に挑むようなものです。
また、
おじいちゃん、おばあちゃんが健在ですと、
賃貸や売買の手続きで、
難しい書類を出されると敬遠されます。
わけのわからない書類に
印鑑を押してしまうと、
「家や土地を取られてしまうんじゃないか?」
と心配されるそうです。
そんな田舎暮らし特有の事情もあり、
空き家が放置されていることが
多いのですが、
さらにそのまま放置しておいても
特段不都合もないので、
ますます空き家の活用が進みません。
固定資産税も山や田畑は安いので、
税金の負担は大きくはありませんし、
何か「動機付け」がないと
親やおじいちゃんおばあちゃんは、
なかなか空き家の活用には
積極的にならないでしょう。
その動機が何なのか?
それは人それぞれ、地域によっても違います。
閉鎖的、保守的な傾向が
まだまだ強い生活環境の中で、
その意識をどうやって変えていくのか?
個人的な問題だけではなく、
地域の将来を見据えて、
個人と公共機関が一体となっての対策が
一層求められてくるのではないかと想います。