抵当権を相続したら?〜「時効」で泣き寝入りしないためにできること〜
昨日は、
お金の貸し借りに関わる
「時効」についてお伝えしました。
時効というと、お金を借りた側は、
一定期間が経つと
返済する必要がなくなる、
と思うかもしれませんが、
時効で返済を免れたとしても、
それで全てが
解決するわけではありません。
相続でお金を請求できる権利(債権)
を引き継いだ側は、
時効を迎えたとしても、
借金を踏み倒されたことには
変わりありません。
親の意思を受け継いだ
気持ちの問題もありますから、
なんとか一矢を報いたい!
と思うのが人の心情でしょう。
例えば、
親がお金を貸したときに、
貸した相手が持っている家や土地に
抵当権を登記しておいた場合は、
一矢を報いるチャンスの一つです。
抵当権は、
借金が全部返済されたとしても、
お金を貸した側でないと
消すことはできません。
抵当権を消せないとどうなるかのか?
まず、
抵当権があるままでは、
家や土地は売れません。
ほとんどの不動産売買では、
抵当権などの権利は、
売買代金の支払いが完了するまでに
消すことが条件になっているので、
「消せない」なら「売れない」
ということです。
お金を借りた人が、
実家などの家や土地を売ろうと思って、
まだ借金の返済がされていないのに
抵当権を消してくれるよう
依頼してきたら、
「はいそうですか。」
と簡単に応じる必要はありません。
時効で借金の返済を免れたとしても、
抵当権を消さなければならない
ということではありません。
貸した側は、
「抵当権を消す代わりに、
◯◯万円を支払ってください」
といったように、
交換条件を求めることはできます。
抵当権を消すための書類に押す
ハンコ代として請求するのが、
名目としては妥当ですが、
貸したお金が
少しでも返済されるようなら、
全て返ってこなかったとしても、
一矢を報うことはできるでしょう。
抵当権がある場合の対応例を
お伝えしましたが、
時効になっている、
または時効になりそうなこと
があるようなら、
速やかに弁護士に相談して、
対応策を考えてみるといいですね。