【地面師事件】その空き家の所有者、本当に本人ですか?
3年ほど前に大手ハウスメーカーが
63億あまりの詐欺被害にあった事件。
一昨日、そのハウスメーカーから、
総括検証報告書が公表されました。
都心の一等地を、
所有者になりすまして売却しようとしたが、
書類偽造を法務局が指摘して、
所有権が移転しなかったことから、
詐欺事件が発覚したものです。
今回公表された検証報告書には、
その経緯が詳細に書かれていました。
事件が発覚するまでに、
何度も、所有者として疑わしい
行動や言動があったこと、
本当の所有者とのやりとり、
ハウスメーカー内での度重なるチェック、
などなど、取引の経過の中で、
怪しげな言動が度々あったことが
記載されていました。
63億と巨額の金額であることで
注目を浴びた事件ですが、
これは決して他人事ではありません。
空き家の大きな問題の一つに、
所有者がわからない
ことがあります。
これは、
何代も相続登記がされなかったり
相続人が行方不明であったりして、
起こることです。
廃墟となりながらも、
未だそのまま放置されている空き家は、
こうした所有者不明の場合が多くあります。
そんな空き家に自分が所有者だと
名乗り出てくる人がいたら、
やはり疑いますよね。
正当な所有者や相続人であっても、
その証拠は確認しなければなりません。
つまり、
空き家所有者のなりすましは、
身近に存在するリスクなのです。
不動産価値が高ければ高いほど、
そのリスクは高くなりますが、
だからといって、
地方の需要がない場所だから心配ない
ということはありません。
将来街が発展する計画があって、
今からその場所に目をつけていることも
あるかもしれないし、
自分は価値がないと思う空き家でも、
人によっては貴重な価値がある場合も
あり得ます。
相続人への名義変更の登記は、
今後義務化されていきますが、
名義が変わったからといって、
本人であるかどうかの確認は常に必要です。
所有者であっても、
遠い親戚で会ったことがなかったり、
しばらく会っていないという場合は、
一度お互いのために、
会って現状を確認しておくといいですね。