「立派な庭を維持したい」それも売りたくない理由です。
先週、
私の事務所から比較的近い場所にある
空き家のご相談をいただきました。
私が普段から
好意にさせていただいている方からの
ご紹介だったのですが、
現地を確認しに伺ったところ、
こんな知名度のあるいい場所に、
こんなに広い土地をお持ちなんだ!!
とびっくりするほどの立派な家でした。
100坪は下らない広さの土地に、
昭和47年くらいに建てられた家で、
部屋数が1、2階合わせて8部屋、
それに水回りや収納スペースがある
間取りでした。
所有者の方は、
当初はそこに家族と住もうかと
思ったそうですが、
シゴトの都合上、その家には戻らず、
駅前のマンションに住まれたそうです。
家の中を拝見して、
まず真っ先に感じたのは、
居間から見渡す見事な庭園です。
職人さんが手入れをされた植木が多数あり、
先代が大事にされていたこの眺めを、
今も変わらず維持されているとのことでした。
その庭園を見ながら、
空き家の活用方法を考えていた際に、
「この植木は借りた人たちで
手入れをしていいのですか?」
と聞いたところ、
「いつも職人さんが
やってくれているからね。。」
と、本職の職人の手で維持したい意向を
示されていました。
この庭の手入れだけでも、
年間の費用は相当な金額になります。
空き家で植木の維持に、
それだけ費用がかかっているなら、
売った方が良いのでは?と思うところですが、
親が大切にしてきたこの庭園は、
このままにしておきたい、
そんなニュアンスが、
所有者の言葉の節々から伝わってきました。
いくら空家になっていて、
維持費がかかっていたとしても、
壊したくないもの、
失いたくないものがあるから、
売りたくない、
そんな思いを持つ方は
多くいらっしゃると思います。
お伝えしたような
立派なお庭を持つご実家は、
そう思う方もきっといるでしょう。
どうしても売らなければならない
事情がある場合はやむを得ないとしても、
維持できるものなら維持したい、
ということなら、
当然、所有者の意向を汲んで、
空き家の活用は考えるべきです。
借りる人に所有者の想いを伝えて、
それに沿った活用をしてくれる方に
利用してもらうべきです。
時々、予め伝えているのに、
所有者様の意向を無視した心ない言い方で
賃貸物件を探されている方を見かけますが、
借りようとする側も、自分中心ではなく、
相手の想いを理解するべきで、
借りてからも、大家と店子の良い関係を
つくっていきたいところですよね。
庭園や植木の感じ方は人それぞれ違いますし、
親世代、子世代での思い入れも違います。
手入れがされた植木や庭があるなら、
それをどれだけ大事に想っているのか?
維持して残したいのか?
一度、考えてみてくださいね。